<< 和歌山まで朱印の旅 / 「マギ 24巻」 >>
「最貧困女子」
0
    第一章からかなり衝撃を受けた。親、親戚から見放され、孤独のなかアルバイトで生活を繋ぐ女子、貧しくとも地元に根をはって、コミュニティーの中で支え合って生きていく女子。
    貧困にもいろんな貧困がある。
    お金がないのは「貧乏」。
    お金も仲間も制度的な援助も無いのが「貧困」。
    貧乏は、貧しくとも仲間がいて、住む場所があって精神的には豊かに暮らせるけど、貧困の方は草も生えない。
    第一章を読んだだけでどっと疲れた。社会の闇に消されていく弱者が赤裸々に描かれていると思う。
    第二章も重かった。
    貧困女子の発生は生い立ちの不幸さから始まるが、軽度の障害を併せ持つと不幸しか生まれない。虐待に耐えかねて家を出て、身体を売って暮らす少女たちは、家賃を滞納し、相談することを知らず、警察や保護施設を恐れ、市役所の手続きをこなす能力をもたず、ある日ふっと蒸発してしまう。
    学力、コミュニケーション能力は、本来小さいころからコツコツと身に着けていくもので、大部分を親が担うはずだが、ここに登場する最貧困の女子たちはそこが抜けており、生きていくすべが欠落している。
    発達障害と最貧困は切り離せないようで、本書には発達障害を抱える女子の例が多く紹介されていた。
    どれも衝撃的でため息をついてしまう。
    なかには離婚を機に自分の発達障害に気付かされたり、その障害のせいで離婚手続きや親権請求の時点で様々な困難を生んで、精神を病んでいくタイプもあるそう。離婚する女子のなかでも、這い上がれるかどうかは結局、その人のもつ地頭の良さによるのだろうなと思った。
    ただ、現代だから特にこういう現象がおきているわけではなく、昔から技術もなく知識もない人は定職につけないわけで、その上コミュニケーション能力のない人は村八分になり遠ざけられてたんだと思う。
    国民全員が豊かな暮らしを、という考えは素晴らしいが、実際は難しい。
    そもそもの教育、しつけを受けていない時点で、この最貧困女子たちを自己責任と言って責めることはできない。義務教育すら受けていないのだから、常識が欠落し、唯一の身体を切り売りせざるを得ないのだ。愛情を受けていないので、過度の恋愛体質でもある。セックスした男の数を自慢げに話すのは、寂しさ、心の貧困の証拠。
    読んでいて、草も生えないとはこのことだな、と思った。
    次に興味深かったのは、未成年の少女が売春にはまっていく過程だ。ここでもまず家庭環境になんらかの原因がある。家出をしたり、その日食べるものにも困っている女子にとって、先輩や同級生からの援助の声は渡りに船だろう。
    最初は軽い気持ちでも、次第に抜けられない負のスパイラルに巻き込まれていく。その際、頭が良ければ組織のドンとして搾取する側に回れるかもしれないが、知恵のない子は奪われるのみ。そしてまた草も生えない世界が広がる。
    売春にだって格差があり、ブスは買い手がないから安く売られるし、馬鹿は反抗するすべをしらないのでスカトロや獣姦などに回される。よって、ブスとバカの二重苦はいわずもがな。
    プロの水商売は、ある一定の容姿とコミュニケーション能力が求められるので、能力のないブス&バカの二重苦は路上で客を捕まえるか、素人専門の日当制の売春くらいしかないという現実。
    それでも生きていくしかない最貧困女子。日本のアンダーグラウンド。
     
    Check
    評論 * comments(0) * trackbacks(0) * - - * moji茶

    comment










    trackback

    ・・・ http://mojityan.jugem.jp/trackback/970