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「風と木の詩」
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    すばらしかったです。
    読後はあまりの内容の濃さにすぐに感想が出ず、色々と悩んでしまいました。
    主人公のジルベールとセルジュはたとえるならば太陽と月、陰と陽。
    そんな性格も性質も正反対の二人が様々な障害を経て惹かれあい、破滅の道に進んでいく様は涙なくして読めません。二人は生まれ育った環境は違えど、孤独です。
    しかし孤独を知ってなお真っ直ぐ生きようとするセルジュと、そんな彼とは対照的に、ジルベールは叔父であるオーギュという男に心を支配され、快楽を仕込まれて、退廃的な生活を送っていました。
    セルジュの両親の話はすっごくよかったです・・・。子爵という地位まで捨てて一人の女性を愛したアスランがすごく美しくて、生き様が潔くて、彼があんな最後を遂げるのも、ストーリとしては必然なんですけど、感動して涙が零れそうでした。
    幼くして両親を亡くし、孤独を知ってもセルジュは歪まずまっすぐ育ちます。その反対に、ジルベールは両親の愛を知らず、基本的な躾けもされず、気の向くままに生きていました。そんな彼を唯一支配できるのは叔父であるオーギュだけ・・・。
    束縛し、操ることでしかジルベールを愛せなかったオーギュも今思うと憐れです。彼もまた悲しい過去を持つ男でした。
    この時代の漫画って、ギムナジウムという設定が多いですよね?主人公はみなフワフワの金髪で色白の美少年。作者は異なりますが『トーマの心臓』とか・・・とか。西洋の詩が漫画に挿入され、性と生が描かれる。内容は面白おかしい娯楽というよりも、かなり観念的で考えさせられる内容です。
    あれよあれよと美少年たちの濡れ場が登場しますが、この漫画に込められた文学性がエロさを感じさせません。
    よりよく生きるとはなにか、愛するとはどういうことか、未来について。子孫について。
    すごく考えさせられる漫画でした。一度は読んでおくべきだと思います。

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