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「ベルカ、吠えないのか?」
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    犬から見た二十世紀史。犬好きならずとも、必読ですYO!
    このドッグ・ハードボイルドな小説に翻弄されっぱなしでした。

    事のおこりは第二次世界大戦中、敗戦気味の日本軍の置き土産だった軍用犬をアメリカが保護したことからはじまります。
    というわけで主人公は犬なんです。最初この点にひかれて本を手に取ったんですねぇ・・・。

    この1つの出来事が、無数の糸となって世界を巡り、様々な人間と事件と歴史をまきこんで展開していきます。そして一点に帰結していく。ともするとごちゃまぜになってしまいそうな話が、見事なまでにまとまっていきます。このまとまっていく過程には著者の力量に感服。
    ううむ。この話に登場する、同じ血縁で繋がった多数の犬達の物語にも驚嘆しますが、小説家としての古川氏のほうにもっと驚きます。5000点差し上げたい(意味不明 。

    二十世紀の戦争は、犬の戦争でもあったんですねぇ・・・思えば犬って古代から人間と関係が深いし。冷戦時代の話とか歴史関連、国際情勢の話など、読んでいて頭がパンクしそうでしたが、とりあえず犬の身になった気持ちで読書していたので あー、そんなことあったのね、わしにはかんけいないけど という態度で始終やりすごしました。(←ダメだろ

    ちょっと高村薫の作風に似てるなーと思ったり。ストイックなとことか。ソ連なとことか。「神の火」とかを思い起こさせるかな。
    高村薫に脳が侵されると、たとえばプロ野球の得点掲示板に出るソフトバンクの「ソ」をみて反射的にソ連・・!?と思ってしまうくらいソ連に敏感になります。そんな自分が嫌です。
    スプートニクのライカ犬の話なんかは、丁度村上春樹の「スプートニクの恋人」を読んでいたので、かなりタイムリーでした。やっぱロケットって人類に多大な影響をあたえたんだなあ〜・・・。
    わしはそのころ生きてませんでしたけど。
    こうやって小説にいろいろでてくるのを見ていると、やっぱりロケットが人間の精神史に与えた影響はおおきかったんですね。
    犬を見ていたはずが、大きな歴史の営みを見ていたことにもなり・・この小説はやっぱすごいんですよ。
    というわけで難しいけどオススメです。
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    小説 * comments(4) * trackbacks(1) * - - * moji茶

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    moji茶さん、こんばんは! 犬好きはもちろん犬好きでない人にもほんとオススメ本ですよね! 私は高村薫さんの作品実はまだ読んだ事がないのですが、『ベルカ〜』の作風と似ているのですか!? だとしたら、ますます高村さんの本も読んでみなければ!って思ってるんですけどなかなか。。。 スプートニクの話の時は私も『スプートニクの恋人』をスグに思い浮かべました☆ 犬の系図をメモしながら読みましたが4頭の犬から始まってどんどん広がっていくのがすごかったです!
    みらくる * 2005/08/17 12:10 AM
    こんにちは。(´∀`) 読んでいて、なんとなく高村薫っぽいな〜とおもってしまいました。クールてかっちょいいイメージ。 高村薫さんの本は、短編もいいですよ〜。『マークスの山』とか『李歐』あたりから読むとはまると思います。 >犬の系図をメモしながら読みましたが メモしないで読むとかなりこんがらがりますもんね・・・。私はこんがらがりました。そして前のページに何度も戻る・・・。効率わる!
    moji茶 * 2005/08/18 1:06 PM
    moji茶さん、こんばんわ。はじめまして。 >犬を見ていたはずが、大きな歴史の営みを見ていたことにもなり・・ ほんとそのとおりです。ものすごい物語をつむぐ力を感じました。 私も高村薫さんの、硬質でストイックな文体が好きなのですが、古川さんはそれに、ついつい笑ってしまうような表現が加えられていて、そこがまた良かったです。
    june * 2005/09/30 10:41 PM
    >june様 こんばんは。はじめましてー。 高村薫さんいいですよね!おお仲間(´∀`)人(´∀`) 古川さんは結構ユーモアがありますよね。ただのシリアスじゃなくて呼吸できるところがあって好きです。
    moji茶 * 2005/10/01 6:39 PM









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