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「闇の左手」
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    アーシュラ・K・ル・グィン
    早川書房
    ¥ 924
    (1978-09)
    Amazonおすすめ度:

    今回はあまり呼んだことの無いジャンルを読もう、ということでSFのこの本を選んだんですが、初SFなので失敗しないよう、好きな作家さんの本にしてみました。
    アーシュラ=K=ル=グヴィンは『ゲド戦記』でよく知っていたし、その独特の世界観が大好きだったので、きっとSFでも面白い世界観を展開してくれるだろうという期待から選びました。
    で、読んでみて、
    とても面白かったです!もともと好きな作家さんの本だったんで当然でしょうが。
    とりあえず初SFは成功でした。

    時代ははるか未来の宇宙のおはなしで、そこでは人類同盟なるものが形成されており、民主主義というか、議会主義というか、平和的な社会が存在しています。
    小説の舞台になる惑星ゲセンは<冬>とよばれるにふさわしく極寒の星です。
    そこでは人間は両性具有で、性は分裂していません。
    まだ人類同盟に加盟しておらず、自分の星以外に宇宙人がいるなんてことも理解していない星でした。

    この星と友好関係を築こうとやってくるのが人類同盟エクーメンの使節ゲンリー・アイです。
    外星の存在を知らない惑星の警戒をさけるため、使節はいつもたった一人で派遣されます。
    そして彼はたったひとりでこの星の人々に、この星以外にも人類が住む惑星があることや、そして友好的な外交関係を築きにきたのだということをその星の政治家や有力者に説いてまわります。
    でも当然宇宙人の存在なんて信じる人はほとんど居ないのね。

    惑星<冬>はたまたま平和的な国なので、ゲンリーを即殺したり戦争をおこしたりすることはありませんでしたが、当然ゲンリーは政治的に微妙な位置にたたされることになります。
    でも、そのなかでもゲンリ―に協力してくれる人がいたのです。
    それがカルハイド王国の宰相エストラーベン。

    彼は本当にこの国、この星を愛した人間だったのです。

    でもエストラーベンが政治的陰謀にまきこまれてからは、ゲンリ―もその渦中にまきこまれてゆきます。
    敵か味方か、人を煙に巻くような話し方をするエストラーベン。
    この星の人間は直接な物言いはせずに、なにやら暗示的な言い方をするので、慣れないゲンリーはそういう口調にいらだってきます。
    もしかしてエストラーベンは自分を騙しているのではないか??ゲンリーは見知らぬ星で一人悩み苦しみます。

    でも彼(彼女?)が実は最初から最後までゲンリ―のために尽くしてくれていたのです。
    自分の星をよりよい星に導くため、彼は命をかけてゲンリ―を守るのです!!
    うーむ。深い。

    話の途中に挿入される<冬>の神話が北方神話のようでとても面白かったです。
    その神話がとても暗示的で、とても気になりました。
    内容的にはフィンランドの『カレワラ』とよく似ていて、大地創造のお話です。
    こまごまとした暦の設定とか、宗教とか、かなり綿密にかかれています。
    なんかSFってすごい・・・。
    とりあえず複雑な頭をもってないと書くのは無理かも??


    タグ:アーシュラ K ルグヴィン 闇の左手 SF 

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