ここ1、2ヶ月で着た着物あれこれ。 木綿がほとんど時々紬が混じってます。
初夏向けの涼しまKIPPE。最近織元さんが廃業されてユーザーから惜しまれていましたが、最近違う織元さんで復活。コロナ禍のせいなのか、そもそも高齢化のためなのか、織元さんの廃業が目立ってきました。
木綿着物を着るようになって日本各地の木綿着物を知ることができて、着物産業を支えている根本の「糸」のことであるとか、「染め」のこととか、そもそも日本人は何を着てどのような暮らしをしていたのかなど、風俗史にとても興味を感じています。
国産にこだわる日本人ですが、絹糸の国産の歴史は意外と浅くて、江戸時代やそれ以前は輸入に頼っていたことなどを思うと、蚕からこだわった純国産の着物というのは大正、昭和くらいのもんだったんだなとか。庶民は麻の歴史が長く、正絹を着るのは一部の特権階級だけだったのも、生糸が舶来物だと思えば納得。
人気の更紗も「更紗」と一言でいっても「ジャワ更紗」「インド更紗」「エジプト更紗」など多数の国のものが存在していて、今流行りのアフリカンバティックになると、実は昭和のメイドインジャパンだったり、糸と布の交流から新たな世界が見えてくる。
大島紬はリサイクルのマイサイズ。信じられないくらい安価で入手しました。着物に流行り廃りはないとかいいながら、実はデザインなどに年代が濃厚に出るという・・・。最近は上の写真のようなシンプルな柄行が好まれるそう。でも龍郷柄とか秋名バラとか、いかにも大島!ていう着物はそれはそれで楽しいものです。白大島の秋名バラが欲しいんですよ・・・めっちゃ高価なんですけど・・・いつかほしいですね・・・(無理・・・)。
琉球絣はネット処分市で格安(半額)購入したもの。一応新品でした。名古屋帯はリサイクル〜。
遠州木綿は着やすくて柄も色も豊富にあるし大好き。矢羽根柄は昔いかにも着物柄って感じで好きじゃなかったけど、今は大好きな模様の一つになりました。浜松は木綿産業が盛んなので一度工房見学とかしてみたい・・・コロナ・・・でもしてみたい・・・。
半襟を変えると結構印象が変わります。半襟も綿だと麻の長じゅばんにつけっぱにしたまま洗濯機でまわしてしまいます。手入れしやすさからいっても、昔から麻や木綿は庶民の味方。
久留米絣も大好きです。薄手のものもあるので年中たのしめますが、手織りは地厚で必然的に冬使用になる。お値段も10万こえてくる。これは機械織なのでとてもリーズナブルでした。紗羽織を合わせて。夏仕様〜。
上の写真の着物はメルカリでたまたま見つけたマイサイズの本場黄八丈。本場黄八丈の単衣とか信じられないくらいの贅沢品がめちゃくちゃ安価で出ていたので興奮するも半信半疑。でも、本当にきれいなまるまなこだったので、長井黄八でもいいやと思って購入したら、つい最近身内が機織りをしているという方から「織りと染めの具合からおそらく本場の黄八でしょう」とコメントをもらい、一生の宝になってしまった。メルカリ、時々とんでもないものが落ちてます。ほんとうにたまにだけど。
焼き物が好きで読谷村とか益子焼とか眺めているうちに、いつのまにかすっかり民芸好きになってしまい、すると必然的に民芸の着物にも興味がわいちゃうよね。正絹なら黄八丈とか・・・読谷村花織とか・・・木綿なら丹波布とか小倉織とか・・・。
白い着物は綿麻の刺し子。鳥獣戯画の帯留めと。涼しくてよく着ます。道屯織を合わせて。
阿波しじらは普段着物として一番最適な気がしています。琉球絣の名古屋帯を合わせました。
薄いからすぐ乾くので真夏でも浴衣代わりによく着ます。
涼しいなら最近は化繊のセオアルファが好きです。よく乾く。普段着〜お稽古着、デザインによってはお茶会にも使える。最近の先端科学によって生み出された布にも面白さを感じます。化繊も生活に根差したものだから百年後には民芸になってるのかなぁ。
リサイクル着物についてはマイサイズで賢く買えばとても安価に着物生活が送れるのでおすすめです。リサイクル着物生活ってなんか昭和っぽくないですか。質に入っている着物を安く買う江戸時代の人の気持ちに近づいた気がしませんか。結城紬の単衣が一万とかですよ・・・夏塩沢が一万切ってるんですよ・・・買うやん・・・。ついつい買っちゃうやん。
多少の難があっても昔の人は普段着だから来てました。わたしもそういう気持ちで着物と向き合おうと思っています。お茶会用の付け下げや小紋などのフォーマル着物とはまた別。完全趣味の着物ライフ。あとは収納問題だけだわ。そこが大きいんだわ。