「f植物園の巣穴」
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    梨木 香歩
    朝日新聞出版
    ¥ 1,470
    (2009-05-07)

    表紙に惚れて読みました。
    夢か現か、最初から曖昧な感じで始まって、読んでる途中何度も頭の上に「?」が浮かびましたが、梨木さんは読者を裏切らないので根気強く読んでい行くうちに、やっぱり独特の世界観に惹きこまれてしまいました。
    文体も擬古文調で、明治の時代性なんかもあって、すべてが浪漫で雰囲気を楽しむと良いとおもいます。
    始終読んでて波は少なく、大きな感動というのもありませんが、それでも終盤にかけてはほろりと涙する場面も。
    主に精神世界の話だったのかなぁ?と読後思いました。
    「お千代」という謎の女性がこの小説のキーワードです。

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    「村田エフェンディ滞土録」
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      読んだ後になんともいえな深い余韻が残る本です。
      読み終えた後、しばらくはこの世界観にひたったままぼ〜っとしてしまう。
      「家守綺譚」とセットで読むことを是非希望。人物もリンクしています。

      貧しくも穏やかなトルコの町と風土にひたってのんびり読みました。
      でも後半の急な展開には驚きです。

      え、こういう話になっちゃうの!?といったカンジでだ〜っと終わりまでたたみかける。
      この、のんびりとしたトルコも時代の流れにまきこまれてゆく。
      ともにすごした仲間や思い出も、振り返ってみればすべてが走馬灯のよう。

      昔の、あの楽しかったトルコの日々を村田とともに涙してしまいました。
      この作品は本当にいい!大好きです。
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      「丹生都比売」
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        <幼少の草壁皇子と神との交信>

        歴史小説とは違います。どちらかというとおとぎ話っぽい。
        大津皇子とかのほうが話題にしやすそうなのに、どうして草壁なのか、というのは、あとがきを読めばよくわかります。
        草壁の純粋な心は、当時の多くの人々の歩調についていけなかったのねん。
        時代に取り残された、取り残されることを選んだ人のお話も梨木流になればこんなに幻想的なお話になるんだなあ。
        小説はネタより技術か。
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        「西の魔女が死んだ」
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          ふとした拍子に学校に行かなくなってしまったまい。
          父親も母親も大事にしてくれるし信頼もそれなりにあるけどなんだか頼りない・・・
          具体的になにかあるわけじゃないけど、漠然とした虚無感が主人公をつつみます。
          そんなまいが祖母の家に行くことになって・・・・

          おばあちゃんは「魔女」とあだ名されるほどなんでも知っている人。
          彼女がら得たものは知識いじょうに気持ちの面が強かったんでしょう。口だけじゃない強さとかあたたかさがある人かな。特にああしろこうしろ、といわないのに、ただそこに居るだけで指標になる人。
          ステキですね。

          ただ、わしはこの手の話結構読んでるんで・・・パターンとしてありがちかな・・と思ってしまいました。スマソ
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          「家守綺譚」
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            梨木 香歩
            新潮社
            ¥ 1,470
            (2004-01)

            素晴らしかった!大好きですこういう話。
            時代は明治大正あたりでしょうか。主人公の棲む場所はまるで異次元との境目にでもあるかのように不思議な出来事が度々おこります。それがまたとても幻想的で、美しい情景が眼前にひろがるようです。
            そして住人も不思議な人ばかり。狸や花の精なども登場します。

            ちょっと夏目漱石の「夢十夜」を思い出しました。
            夢かうつつか、静寂と幻想の世界。

            時々たずねてくる、異世界にいってしまった親友との語らい。
            このシーンだけいつもなんだか寂しいカンジがしました。

            文体もちょっと昔っぽい言葉使いになっていたり、作品の演出も凝っています。
            ああ、かなり好きです。雰囲気がいい。
            各章が花の名前なのも洒落ています。
            自然豊かで浪漫あふれる一人称小説。これはイケる!
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