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横山 秀夫
文藝春秋
¥ 1,650
(2003-08-21)
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キタ━━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━( )━(゜ )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━━!!!!
すっごい当たりです!メチャ面白かった。
御巣鷹山日航機墜落事故の全権デスクを任された悠木は、その日同じ社で違う課の安西という男と山に登る約束をしていた。
しかし安西はおかしな消息を残したまま妻と子供を残して脳死。
悠木は登山仲間を失った驚きと、全権デスクをまかされた緊張で戸惑いを感じつつも、事件の大きさに圧倒され、いつしか魅せられてゆく。
・・・というお話か?
自分の仕事にプライドを持った男たちが本音でぶつかりあい、腹をさぐりあい、時には怒鳴りあいやあわや乱闘かと思われるほどに熱くなる。
うおー!これが男の仕事かっ
すげー汗臭いけどそこがまたいいです。
高村薫の社会小説とは一風ちがい、こちらのほうがサラリーマン的で家庭的。泥臭い。
ストイックさとか感じません。でも必死に仕事してるオヤジ臭にたまらなく萌え!
ネタを抜くか抜かないかで営業の人間とやりあう臨場感緊迫感あふれる場面に、思わず自分もそこにいるかのように錯覚してしまいました。
「パンパンの子」といわれた悠木が逆上してふりかえるシーンなんかは読んでいて鳥肌モノ。
血走った悠木の目を実際に見た気がした。ていうか自分か悠木になった気でカッとなる。
すごく入り込める作品でした。
最後は「出口のない海」「半落ち」と同じで、ぐぁ〜〜〜〜!!っと泣かせる波がくるんですが、「半落ち」のようなベタさは感じず、思わず悠木をねぎらってやりたくなりました。
自分のことをずるいやつ、孤独なやつ、と思っている悠木ですが、小説を読んでいるとわかるように面倒見がよく人を育てる才能があります。子供に気を使ってやって、数年前に死んだ部下のことをずっとひきずっている不器用で優しい人。主人公にとても好感が持てました。
とても内容の濃い本でしたが、これって作者の実体験に基づいているんですね。
納得。地方紙の苦労、苦悩がとても詳しくかかれていて、こういうのはやはり内部の人間じゃないと書けないよ。
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小説とは関係ないんですが、御巣鷹山に墜落する瞬間までのテープが一部ネットで公開されていますよね。わしは以前どこかのリンクをたどっていって聞いたのですが、機長さんたちの奮闘に思わず涙が出てしまいました。