「カラフル」
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    森 絵都
    理論社
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    (1998-07)

    自分の中の森絵都作品ランキングでは、「DIVE!」の次に面白いです。
    話が進んでいくにつれ、どんどん気分が晴れていくこの爽快感。森絵都作品は、元気が出たり慰められたり、癒し系が多いと思います。

    ひょんなことから、自殺した少年の体にはいることになった少年の魂のお話。
    彼は”小林真”として一年間を全うし、かつ己の罪の記憶をとりもどさなければならない。さもないと彼は命のサイクルからはずれて再生の道はなくなってしまう。
    果たして彼が犯した罪とはいったい・・・?

    どうせ借り物の体だし、こんなこと乗り気じゃないんだけど・・・ということで、結構無責任に現世をエンジョイする主人公。次第に少年らしく妥協できない色々な出来事とぶつかって、真の家族ともぶつかったりする。
    そうやって悩んだり苦しんだりしている姿は真そのもので、時間がたつうちに初の友達もできた。受験も控えてるし描いている絵も完成させたい。でも自分はいつまでもこの体にいるわけではない。いつか出て行く借り物の体で・・・
    というように、最初乗り気でなかった少年が現世に執着を持つようになるまでの変化がとても上手に表現されていると思う。

    15,6歳ごろの、大人にはわかりっこない大切なこと、友情、恋愛。森さんは、そういうものを書かせるとうまいなぁと思ってしまいます。わしはもう忘れつつあるけど・・・。この人の本を読むと、ああ、そうだったなあ・・・と懐かしい思いがします。

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    「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
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      心温まる挿絵に惚れた。
      クラシックの曲を題名にして短編をかいていく・・・というスタイルで3作品はいってます。
      どれもよかったー!上品で優雅でちょっといたずら気があって。かわいい!
      森絵都作品で『DIVE!!』より好きかも。

      一番好きな作品は題名にもとられている『アーモンド入りチョコレートのワルツ』!とても切ないけど、かわいらしくてステキな人達ばかりが登場する。いいな〜。こんなピアノレッスンが受けてみたい。
      次は『子供の情景』。無神経でいやな奴・・とおもわれていた要君が一番敏感にそして温かい人だったことにショック。なんかこの人とても大人なんですけどー!?中坊には見えんて。

      これを読んでサティの曲がききたくなったんですが、この曲が入っているCDがなんと6000円以上する・・・。あ、あきらめてしまいました・・・。つらい。

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      「宇宙のみなしご」
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        森 絵都,杉田 比呂美
        講談社
        ¥ 1,365
        (1994-11-10)

        『DIVE!!』とは違って落ち着いた小説です。
        『DIVE!!』は勢いにのってだーーーー!と読んでしまってすっきりさっぱり!
        『宇宙のみなしご』はおちついて自分が子供だった頃を思い出してしみじみと。

        主人公は中学二年生。両親は共働きで、弟と二人っきり。
        あるとき急に主人公の陽子は学校に行かなくなった。理由はとくになし。担任が玄関で待ってただけであっけなく彼女の不登校は終わる。
        なんとも・・長続きしないというか・・・ドライというか・・・。

        両親がいない家の静けさをまぎらわすため、二人は昔からいろんないたずらや遊びを考えてきたのだが、今回おもいついた遊びは屋根にのぼること!
        「みんなの屋根よ」と強気に発言する主人公陽子に「屋根はその家の人のものだよ・・・」と冷静に突っ込む弟。でもなんだかんだいって一緒に屋根にのぼっちゃうのだ。
        二人だけの秘密。快感。
        でもその秘密と快感がクラスメートにばれてしまう。
        日常から非日常へ皆飛びたがっている。
        自分の殻をやぶろうと必死にもがく七瀬さんやキオスクも見所です。
        弟のリン君と七瀬さんのその後が気になったりしますが老婆心ですかね・・。

        タグ:森絵都
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        「DIVE!! 3 SSスペシャル’99」
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          一気に二巻読みきりました。
          3巻では要一が主人公。サラブレッドはサラブレッドの悩みがある・・・強靭な精神力とプライドで続けてきた要一のダイブも、飛沫、知季と切磋琢磨するうちに変化があらわれてきます。気持ちの面の変化が大きいかも。
          せっかくのオリンピック出場権を放棄したり、無茶なのは飛沫と知季に負けていません。彼もダイブバカなのですね。高校生らしい一面もうかがえて、要一にもかわいらしい面があるんだと思ってうれしくなりました。

          そして四巻では要一が放棄したオリンピック出場権をめぐって争うことになるのですが、美しい・・・本当に青春ってすばらしいですね。爽やかな戦いの中で彼らはますます友情、それぞれのダイブに自信を得ていきます。なかでも4巻はいろんな外野の視点から3人が語られるわけですが、すくすくと成長し、いつのまにか大物にのしあがっていた知季の存在がひときわ目立ちました。

          やっぱりこの小説は知季が主人公だったのねん・・・各巻、主人公がかわりましたが常に知季の成長が意識してかかれてました。彼の未来は予想どうりよい結果でしたが、結果がわかってても面白い森絵都小説っていいですね。
          すごく面白かったです。

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          「DIVE!! 2 スワンダイブ」
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            返ってキタ━━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━( )━(゜ )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━━!!!!
            一年ぶりに返却されてきました。・・なんつーか(´∀`;)ハヨカエセヨ・・

            今回は飛沫視点で物語が展開します。
            一巻ではぶっきらぼうで謎の少年だった飛沫君ですが、今回は彼の田舎のことや家族のことも出てきて一気に親近感が増していきます。
            そして神童のように思われていた彼にもとんでもない爆弾が・・・。
            自分に打ち勝つ、飛沫はそれをこの巻でやりとげます。
            様々な葛藤を乗り越え、ダイブを続けていこうと決心する彼は、もう孤独ではなく、知季や要一という良きライバルに恵まれオリンピックを目指します。

            一方それにくらべて知季君は・・・なんつーか・・・中学生だからかもしれんが飛沫と比べるとガキっぽいなぁ。まだ彼女にふられたこと引きずってるし(笑)。憎めないしかわいいからいいけど(´∀`)。
            どうやらこの3人のなかで知季は中和剤みたいな役割ですかね。お子様で超素直な彼は癒し系か。
            でも一番読んでて気持ちいいのは知季の成長ぶりですね。みるみるうちに自分の才能を開花させていく彼の行き着く先は、きっと幸運なんでしょうけど(話的に)、結果が想像できても面白い。見守ってあげたくなります。
            うおお要一に負けるな。
            そうそう、知季と要一は中国の合宿に見事参加できることになったのですが、そこらへんはだーっと飛ばされててあららららという感じでした。
            あーん。中国でプルプルするトモが見たかったのにん。

            カリスマダイバー 興津飛沫
            サラブレッド 富士谷要一
            眠れる獅子 坂井知季

            この3人が軸になって、世界のダイブ界を振り回して欲しいです。
            3巻は要一が主人公になるのかなー。しかし知季の肩書きって昔の中国のようだな。(-L- ;)
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            「DIVE!! 1 前宙返り3回半抱え型」
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              わずか1.4秒の空中演戯。

              高さ10メートルの飛込み台から、

              時速60キロでDIVE!!


              面白いです。皆がハマルのがよくわかりました。この本は図書館でようやく借りることができた本です。この本以外ほとんどが借りられていてなかなか手に入りませんでした。しかも二巻が延滞中。
              そこの君、早く読んで返してね、てカンジですよ。でも本当は「森絵都いいよね!(゜∀゜)b」と共感しあいたい。
              この本は四季様がたらいまわし企画でお薦めされていた本です。

              「バッテリー」の主人公のような自信満々君とは違って、あまり自分に自信が持てない主人公。そこに魅力を感じました。身近なカンジがするし。かわいい少年です。人並みに彼女もいたりします(中坊で彼女がいるのはマセてると思うのはわしだけ?)。
              そんな平凡な一少年が、一にも二にもダイブと、どんどんダイビングにのめりこんでいくというお話。
              スポ根モノです。コーチも典型的スポ根なので、ベタな展開が続くかとおもいきや、そこは古い昔のど根性ものとはちがって、嫉妬、イジメとかよりも、自分との戦い、自分だけのダイブを見つける、といった内面が重視されています。
              揺れ動きやすい思春期の少年をうまく描いてるなぁ・・・と。トモの子供っぽさとかに笑えます。
              トモは中盤からとてつもない才能を開花させるわけですが、二巻はとうとう4回転するんでしょうかね?続きが気になるところですが、いかんせん二巻が延滞中・・・。ホンマ早く返してくれ〜!

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