2024.02.22 Thursday
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久々に読書記録を載せます。
万城目学の直木賞作品!ということで、「八月の御所グラウンド」を。そしてあたらしい試みでアマゾンのオーディブルで聞いてみました。
オーディブルの感想は、いろいろ試してみたけど、読書はやはり文字で読むのが一番というところに落ち着きそうです。
子供向けのかんたんなざっくりした話なら耳からの情報でいいかもだけど、作者個々人の細やかな表現、行間からしか読み取れないような機微など、読書で一番大切なところを耳で聞くことによってうっかり聞き逃したりしてしまうのが自分には合わないと思いました。
二話構成で、一話目は方向音痴の高校生マラソンランナー。
この話は普通にスポーツ小説として読みました。次の試合楽しみだなって青春を感じながら読了。
二話目は大学生が草野球の優勝を目指すお話・・・と書くとなんか違うな。
万城目ワールド独特のおとぼけ主人公というか、ゆるい人たちがなんとも爽やかで清々しい試合をします。
そして現れる謎の三人組。
ツボったのはシャオさんでした。誰よりも栄さんの正体にいち早く気づき、読者に対して驚きの展開を見せつけたわけですが、あっさり次の試合は彼氏との旅行でぶっちしてしまうドライさ加減がたまらん。あんた一刻も早く栄さんの正体確かめたかったんじゃないの。なんで彼氏と旅行行っちゃうのよ。めっちゃずっこけました。でもこういう抜けキャラがうまいのが万城目学なんだよな。
五山の送り火を見送る場面の作者の表現に感動して、なんども聞き直したりして、やはり文字で読むほうが小説はいいなぁとしみじみと思わされる小説でした。ただ、直木賞までいくかなぁ〜という個人的なもやり感があります。