「サニーサイドエッグ」
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    教えただろう。晴れの日もあれば、雨の日もある。風の強いときもあるんだって。猫はその時時で居場所を変える。たとえ、いまのお前が雨と風の中にいたとしても、雨はいつかあがる。風はそのうち止む。陽のあたる場所は自分で探すんだ。猫だって、そうしてる。

    おっちゃん、人生はアリゾナ州間道路じゃない。でこぼこのワインディングロードさ。遠き山道を重き荷物を背負うて行くがごとし。ちゅうてね。
    「ハードボイルドエッグ」の続きです。前作からほぼ何も成長していない主人公。でも、着実にペットさがしの腕は上がっている様子(笑)。
    いや、実際、主人公の最上の探偵(ペット専門)の腕前はいいとおもう。同時に二件の事件をかかえて、同時に解決してしまうんだから。
    今回は依頼主がヤクザだったんで余計にすごいと思うよ(笑)。

    動物虐待と、汚職事件という大きな事件も絡んできて、後半からは読むスピードも上がります。茜の素性とかも明らかにされていくし、最後の神社でのもみ合いは緊迫のシーンでした。

    前回ほど緩急のりずむはよくなかったけど、最後の急展開はなかなかよかった。荻原FANには楽しめる一冊になってると思いました。

    その他気になったこと
    ■新しい助手の茜もよかった。チャラい感じでこれからも助手として活躍してほしい。
    ■県警の須藤さんと何気にくされ縁になってきている。
    ■Jの本名が切ない。サイドメニューもどんどん切なくなっていく(笑)。
     (あ行)荻原浩 * comments(0) * trackbacks(0) * - - * moji茶
    「愛しの座敷わらし」
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      評価:
      荻原 浩
      朝日新聞出版
      ¥ 1,890
      (2008-04-04)
      ホテルで読破☆
      かなり面白かったです。和やかにほのぼのと読書させてもらいました。
      生まれてすぐに家族になるわけじゃない。一緒にいるから、家族になるのだ。東京から田舎に引っ越した一家が、座敷わらしとの出会いを機に家族の絆を取り戻してゆく、ささやかな希望と再生の物語。朝日新聞好評連載、待望の単行本化!
      ↑のアマゾンの書評を読むと、涙と感動系のお話のようですが、基本ギャグだと思います。
      小さい笑いが常にあって、その合間に超かわいい座敷わらしちゃんが現れる。
      そんな座敷わらしちゃんに翻弄される家族が面白い。

      登場人物全員憎めないしこの家族ヤバイ。全員好きだ!
      お父さんの切ない転勤に付き合わされて、不便極まりない田舎暮しをはじめる家族ですが、一人一人の人生が謎の幽霊?によって徐々に変化していく。
      座敷わらしのおかげというよりも、皆の心がけ次第で運てかわってくんじゃないかなあ。
      結局あの子は座敷わらしだったのか?まあとりあえずかわいいし、いっか・・・な家族に癒されます。愛しの座敷わらしよ、彼らと共に幸あれ!(^O^)/
       (あ行)荻原浩 * comments(0) * trackbacks(0) * - - * moji茶
      「ハードボイルド・エッグ」
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        ハードボイルド・エッグ
        荻原 浩著
        双葉社 (2002.10)
        通常2-3日以内に発送します。

        フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込まれた殺人事件。タフさと優しさを秘めたハードボイルド小説の傑作。

        「ハードでなくては生きていけない。優しくなければ生きる資格がない」
        マーロウの言葉をモットーに、今日も探偵稼業に精を出す主人公。
        迷子のペット探しやペット探し、ペット探しなどもします。
        どうやらあんまり理想通りにはいっていない模様。
        秘書は巨乳・・・・・・?それは置いといて、秘書の綾さんはかわいいと思う。
        履歴書にあんなものをそっと忍ばせておくあたりが。(笑
        男性の欲望を見事利用したあくどい手段と出しゃばり具合がチャームポイント。
        この二人の掛け合いがまず面白くて、読む手がとまりません。

        ひょんなことから殺人事件に巻き込まれ、のんびりコメディ小説かと思いきや、結構スリリングな展開になっていきます。
        綾さんが現れたころから二人の掛け合いや事件捜査など読みどころも多くなり、前半はやや間延びですが、後半はかなりスピード感が出てきます。
        印象に残ったのは、綾さんが主人公と一緒に犯人に監禁されていたときの台詞。
        「怖いよ。年をとればとるほど死ぬのは怖いんだよ。人ごとじゃないからね。」
        エンディングがああだったし、そうなると思い起こせばこの台詞はかなり重い台詞だったんじゃないかと・・・。
        綾さんが来てから仕事も増えたような気がするし、ペット探しの腕もグングン伸びて、ちょびっと根性もついたんじゃないでしょうか。実はラッキーガール(? だった綾さん。
        読んだ後、綾さんがおせんべいを囓っている姿が目に浮かぶようで、最後はとてもいい気持ちで読み終わることができました。
        「僕たちの戦争」「コールドゲーム」と読んできて、これが一番面白い。
        荻原浩作品で一番好きな作品です。
         (あ行)荻原浩 * comments(0) * trackbacks(0) * - - * moji茶
        「コールドゲーム」
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          コールドゲーム
          荻原 浩著
          新潮社 (2005.11)
          通常2-3日以内に発送します。

          去年から気になっていた本。二冊読んだら必ずもらえるYonda?のマスコット人形目当てにとうとう購入。最近ずっと図書館で読んでたから久しぶりに買って読むのが変な気持ちです(笑)
          「僕たちの戦争」はあんまりだったけど、今回は独特の軽妙さが逆にリアルに心に響いて来ました。脇役も一人一人キャラが立っていて、ああ、こういう奴いたなあと笑えるのもチラホラ。

          数年前のイジメの仕返しに怯える主人公たち。心あたりがあるもんだから警察に通報もできない。後ろ暗さと好奇心、ちょっぴりの友情からはじまった復讐犯捜し。真犯人はおお・・といったかんじ。わしは前半でなんとなくオチがわかってしまいましたが、そもそも犯人捜しがこの小説のテーマではないので全く話の展開の面白さには影響しませんでした。次々にやられていく元クラスメート。続きが気になって一気に読みました。ていうか半日で読める内容だったのかな・・・?当時いじめに加担していなかったのに、異様に事件に首をつっこんでいくようになる主人公。その行動のワケも結局最後に明らかになりますが、すべてはあの、中学二年のときにしておけばよかったこと。今更頑張ったってそれはやり直しにはならないのです。そんな空しさをひしひしと感じました。

          しかし深いですよねぇイジメ。中学生の頃って、一番元気な頃だし身の程を知らないので他者を虐めるのもほとんど抵抗がないのかも。気分で行動してもそんなに怒られないもんね。子供は残酷だしなあ。大人でも子供心のままにイジメをしている人もいますが・・・。あれは社会性が身につかないまま大人になったんだろうか。(-.-;)
          新潮文庫でもう一冊気になっているのが「いじめの時間」という短篇集。しかしこんな暗い題名の本、到底手に取れません。この本を読むのでさえ一年かかったのに!でも豪華作家陣なのです。内容が重いと嫌だなあ・・・
           (あ行)荻原浩 * comments(0) * trackbacks(0) * - - * moji茶
          「僕たちの戦争」
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            僕たちの戦争
            4575235016荻原 浩

            双葉社 2004-08
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            これって評価が分かれると思います・・・
            わしはちょっとんん〜?てかんじで最後までのめりこめませんでした。
            人間魚雷だっつうから読んだんですけど、ちょっと設定もとっぴすぎるし主人公も軽すぎる・・・。
            全体としてうまくまとまってるな〜ってカンジですけど。
            話はよくまとまっていて読みやすい。ただそれだけ・・・・?

            わしだったら、主人公は特攻隊員という設定よりは整備兵とかにして、戦後生き延びて結婚しておじいちゃんになってから、平成のミナミに出会い、真相はつげずになにげない会話で去っていく・・・みたいなふうにしたな。(←ケチつけてます
            でも、健太の性格設定に「バカ」というのがあるみたいなので、彼のこの生き方は自分の狭い目線なりに精一杯生きたのかなぁと思います。
            一応「人のために」という意思はつたわってきますから。

            うーん・・・タイムスリップは「ジパング」で読んでたし「戦国自衛隊」もあるしなー。この本を最初に読んでれば感想も違ったかも。
            「人間魚雷の娯楽小説」といった感じですかね。主題もつかみにくい。だからって非戦をひたすら訴えられるのもあきあきですが。
            あ〜残念です。この人、普段は面白い娯楽小説を書きそう。この作品だけ合わなかったということにしたいです。

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             (あ行)荻原浩 * comments(6) * trackbacks(1) * - - * moji茶